辺境×日記

ごく個人的に思う事を書く

「ダイバーシティ」にうんざりしつつある

f:id:bearcub:20170503012921p:plain

とりあえず「ダイバーシティ」と言っておけばいいと思っていないか。

 

最も象徴的なのは小池都知事の言動である。

彼女は都知事選の時に掲げていたマニフェストで「ダイバーシティ」から「LGBT」を除外しているのである。

ダイバー・シティ
女性も、男性も、子どもも、シニアも、障がい者も
いきいき生活できる、活躍できる都市・東京
(小池ゆりこ都知事選2016)

このマニフェストには当時非常に驚かされた。「など」で含みを持たせるでさえないのである。

僕はこれを見て「僕ら同性愛者は排除されるな」と予感したものである。

実際に同じ感覚を持った方はいたようで、世田谷区議の上川あやさんは言及しておられた。

 

この都知事の態度は、その後も各種所信表明で一貫している。

誰もが希望、そして活力を持てる東京の基盤となるのは、都民一人ひとりが存分に活躍できる環境であります。女性も、男性も、子供も、シニアも、障がい者も、いきいき生活できる、活躍できる都市。多様性が尊重され、温かく、優しさに溢れる都市。そのような「ダイバーシティ」を実現してまいります。
(H28.9.28 第三回都議会定例会知事所信表明)

そのためにも、ダイバーシティ、すなわち、年齢、性別、障がいの有無などにかかわらず、全ての都民がいきいきと活躍できる社会を実現していかなければなりません。
(H28.12.1 第四回都議会定例会知事所信表明)

 

それがここに来ていきなり、東京レインボープライド2017に小池都知事が「メッセージを寄せて」いるのである。

www.buzzfeed.com

東京都は女性も、男性も、子どもも、高齢者も、障害者も、そしてLGBTの方も、誰もが希望を持って生き生きと生活でき活躍できる都市、ダイバーシティの実現を目指しています。

LGBTイベントへ要求されたコメントで、やっとのことで「とってつけた」ようにかろうじて最後に「LGBT」を付け足す言語感覚。

  

かつては「男女平等」「高齢者福祉」「障害者の人権」「LGBTの人権」という個別問題であったものが、「ダイバーシティ」という一語にまとまることで、逆に「何をダイバーシティの範疇に含めるか」という優先度問題が顕現しているのではないか。

(小池都知事の場合、一歩進んで「じつはLGBTに人権など認めない」という可能性も大ありであるが。)

 

ここで我々は二度目の差別に遭遇しているのではないか。

「ダイバーシティ」は施政者・企業などの「組織側」からの働きかけでは、このような限界があると思う。

 

逆に、僕ら当事者もやれLGBTだ、やれダイバーシティだと世の中で騒がれると、それに安住してより声を潜めてしまってはいないか。

社会で話題とされるのは結構なことだと思うが、生々しい当事者の声で差別の具体例を世の中に提示し続けなければ、本当にただの「流行語」として消費されるだけだ。